著者
森 均
雑誌
摂南大学教育学研究 = Bulletin of Educational Research of Setsunan University
巻号頁・発行日
no.11, pp.57-79, 2015-01

近畿高等学校統一応募用紙は、高校生が就職試験を受験するために求人事業所に提出する用紙であり、紹介書、履歴書、調査書からなる。近畿高等学校統一応募用紙が昭和46(1971)年2月に制定され使用されるまで、求人事業所は就職差別を温存助長する恐れのある思想、信条、宗教、尊敬する人物、支持政党、家族の資産、住居環境、家族の学歴などの記入項目のある独自の応募用紙<社用紙>の提出を求めていたが、そのことによって適性と能力以外のことで社会的差別を受けてきた多くの同和地区出身生徒等、非差別の状態におかれた生徒の苦しみは計り知れないものがあった。そこで、こうした差別を生み出す社用紙を撤廃するために制定されたのが近畿高等学校統一応募用紙である。しかしながら、近畿高等学校統一応募用紙が制定されてから40年以上が経過し、制定の趣旨が教育関係者等に徹底されていないだけでなく制定の経過を正確に記録にとどめることも難しくなりつつあることから、本論考では資料をもとに制定の経過を明らかにして後世に残すとともに、近畿高等学校統一応募用紙制定の趣旨を再認識することを目的とする。

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