著者
篠塚 明彦
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.114, pp.43-50, 2015-10

源義経をめぐる様々な伝説の一つに北行伝説がある。荒唐無稽な義経北行伝説ではあるのだが、その伝説形成の背景には熊野信仰の広がりや修験者たちの活動があったことが浮かび上がってくる。熊野の人々や修験者は、北方の交易世界に引き寄せられるように北を目指した。そこから見えてくるものは、現在置かれている位置づけとは異なる北東北の世界である。北東北は、日本の終焉の地と見られていたが、実際には北方ユーラシア世界への入口であった。こうした事実をもとにしながら、日本史・世界史融合の具体像について探ることを目指す。

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