著者
石 剛
出版者
成蹊大学文学部学会
雑誌
成蹊大学文学部紀要 (ISSN:05867797)
巻号頁・発行日
no.51, pp.73-86, 2016-03

戦後、日本は70 年の間、一連の言語計画をうち立ててきた。その歩みの中で、「国語審議会」(2001年から文部科学省「文化審議会国語分科会」)が主導的な役割を果たしてきた。なお、1970年代以後、「国際交流基金」、「日本語教育振興協会」など、政府系および半官半民か民間の組織も多数立ち上げられ、言語政策の企画推進と実施に加わり、それぞれ異なる役割をはたしながら連携しているような体系をなしてきた。その実態についてはすでに数多くの研究があったが、本文では時間軸に沿って、「国語審議会」を中心に、これら組織の活動を整理したうえで、日本の言語計画の特徴を東アジアというバックグランドにおける意味を探ってみた。これにより、東アジア言語思想史という視座を生かしながら、アジア地域諸国の言語政策比較研究を試みる地ならしとしたいと考えている。 In the past 70 years after the world war II , Japan has established a series of signifi cant national language planning. The Japanese Language Council or Council for Cultural Aff airs is a leading role in examining and establishing the language policy. The institutions such as The Japan Foundation, Association for the Promotion of Japanese Language Education are also involved in the implementation of the language planning. All of these institutions cooperate with each other, devoting to building up the network of the language planning of Japan. According to the diff erence of nature of work, this paper will introduce the general situation of the Japanese national language planning in the past 70 years in chronological order, and analyses its characteristics in brief.

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