著者
瀧 大知
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
no.9, pp.123-139, 2016-03

近年、日本では近隣諸国との歴史認識問題や領土問題に端を発した排外主義的な傾向が強まり、路上やインターネット上で、おもに在日コリアンをターゲットにしたヘイト・スピーチが行われ、大きな社会問題となっている。このような事態に対してこれまで様々な言説が生まれてきた。しかし、こうした言説では、ヘイト・スピーチが持つ「暴力性」を問題視することはなく、むしろヘイト・スピーチをする人々が注目されるばかりで、被害者の姿がほとんど見えなくなっているという問題が見られる。こうした言説を批判的に検討することにより、本稿ではこのような被害者不在の言説が結果として、ヘイト・スピーチを黙認してきた圧倒的多数の無関心層と同様の役割を果たしてきてしまったことを明らかにする。

言及状況

Twitter (2 users, 2 posts, 0 favorites)

前田朗Blog: ヘイト・スピーチ研究文献(60)被害者無視の言説への批判 https://t.co/RmDKZTWZlX CiNii 論文 -  ヘイト・スピーチをめぐる言説の落とし穴 : 被害者不在の言説の構造と背景 https://t.co/Mv41Vq4LtZ
こんな論文どうですか? ヘイト・スピーチをめぐる言説の落とし穴 : 被害者不在の言説の構造と背景(瀧 大知),2016 https://t.co/jISuFUDYf6

収集済み URL リスト