著者
宮﨑 一徳
出版者
法政大学公共政策研究科『公共政策志林』編集委員会
雑誌
公共政策志林 = Public policy and social governance (ISSN:21875790)
巻号頁・発行日
no.4, pp.59-74, 2016-03

2015(平成27)年、第189 回通常国会において、「内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案」(以下、「内閣機能強化法案」と言う。)が閣法第54 号として提出され、審議が行われた。中央省庁改革から十数年で、法による見直しを必要とするほど内閣官房及び内閣府に重要な政策課題が集中し問題が生じていたのである。本稿では、どれだけ内閣官房と内閣府が拡大して来たかを、特に第2 次安倍内閣以降、内閣はどのように内閣官房、内閣府を使っているのかということと、議員立法がどう関係しているのかということに焦点を当てて分かり易く図、表を使って示す。そこには安倍内閣が内閣官房、内閣府の拡大を伴う積極的な取組みを行っている様子とともに、「○○基本法」と称する等(以下「基本法等」という。)の議員立法が大きく関わっているという実態が浮かび上がって来る。特に議員立法に関しては、内閣機能強化法案の審査を通じて、政府からもその関わりについて明確な認識が示されることとなった。官庁の垣根を超えた問題に基本法等で担っていく役割が非常に大きくなっていることが、法案審査に関わった多くの議員、政府の職員、国会のスタッフ等にも認知されたと考える。一方、内閣機能強化法案の審査は、今後の内閣官房、内閣府の拡大への対策のスキームも示すこととなった。基本法等のあり方にも、期限設定等の点で影響を与える。しかし、官庁の垣根を超えた問題の解決の必要性自体を減ずるものではないため、当面の間、大きな変化は生じないのではないかと考える。

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