- 著者
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山本 伸二
- 出版者
- 天理大学学術研究委員会
- 雑誌
- 天理大学学報 (ISSN:03874311)
- 巻号頁・発行日
- vol.65, no.1, pp.27-50, 2013-10
1159年の教皇ハドリアヌス4世没後に勃発したシスマは,皇帝(ドイツ国王)フリードリヒ1世・バルバロッサにとって,その後18年間にわたって彼の帝国再建策を規定していく要因の一つであった。そして反バルバロッサのアレクサンデル3世支持が拡大していく状況下の1165年,バルバロッサは,アーヘンでカール大帝の列聖を実施した。本稿は,そのカール大帝の列聖を,まず史料を確認し,ついで12世紀における列聖の状況をふまえ,さらにカール大帝とアーヘンといった「人」と「場」の結びつき,この列聖の「共演者たち」といった点も視野に入れて,その歴史的コンテクストのなかで考察することを目的としている。