著者
角 克明
出版者
天理大学人間学部総合教育研究センター
雑誌
総合教育研究センター紀要 (ISSN:1347975X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.29-50, 2011

本稿の目的は近現代の交通や旅行・観光に関するアカデミックな研究における『時刻表』資料の活用事例を示し,その資料性をみることにある。『時刻表』掲載情報はマクロな地域スケールでとらえる場合,あるいは時系列的な変化をみる場合などで資料的価値を発揮するものと考えるが,国有鉄道とその他の交通機関の間には,情報量の差が認められた。『時刻表』の諸問題に留意しつつ,具体的な事例提示と検証は,主題図から正確な地図情報を読みとり,廃止鉄道路線や観光地などを考察した事例,基本データの国有鉄道列車時刻から通勤・通学や観光輸送などをみた事例,固有鉄道に比べて掲載情報の少ない沿岸航路の距離と運賃の関係を分析した事例,利用者側の情報として乗車率の季節波動をとらえた事例で行った。これらの視点や方法では『時刻表』の資料的価値が明らかである。

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