著者
浅川 千尋
出版者
天理大学人間学部総合教育研究センター
雑誌
総合教育研究センター紀要 (ISSN:1347975X)
巻号頁・発行日
no.11, pp.102-106, 2012

ヨーロッパでは,いわゆる「動物保護先進国」が存在する。たとえばイギリス,フランス,オランダ,ドイツ,オーストリア,スイス,ギリシャ,ドイツ等である。これらの国では,原則犬や猫等の「殺処分」は行われていない。それに対して,日本では,年間20万匹・頭以上の犬と猫の「殺処分」がおこなわれている。今年の夏,この問題に関してヨーロッパに調査のため出かけた。本報告では,主にドイツの動物保護施設の訪問内容を紹介したい。
著者
小林 正佳
出版者
天理大学人間学部総合教育研究センター
雑誌
総合教育研究センター紀要 (ISSN:1347975X)
巻号頁・発行日
no.9, pp.58-63, 2010

1年間の台湾滞在で一番思い出深いのは,今回も「日本語劇」だった。みんなが参加してくれるきっかけになったのは天理大学生の中国語劇台湾公演で,4 0人以上の学生が集まった。劇のスタイルは能狂言とギリシャ劇が手本。あくまで日本語学習の中での劇だから,正しい日本語をきちんと話すことを目指した。台詞はできる限り完結した文章の形の丁寧語で書き,演技にスタイルは,日常的な会話調より定型化された様式を採用した。大きな声での発声を重視したが,日本語らしいイントネーションを生み出す仕掛けとして,「発音」というより「発声」に注意を向けさせることはよいきっかけになる。天理大学と文化大学両校の学生が一緒に演じるという夢を実現するためにも,日本語劇が再び恒例の伝統行事となってくれたら嬉しい。1年間の台湾滞在で一番思い出深いのは,今回も「日本語劇」だった。みんなが参加してくれるきっかけになったのは天理大学生の中国語劇台湾公演で,4 0人以上の学生が集まった。劇のスタイルは能狂言とギリシャ劇が手本。あくまで日本語学習の中での劇だから,正しい日本語をきちんと話すことを目指した。台詞はできる限り完結した文章の形の丁寧語で書き,演技にスタイルは,日常的な会話調より定型化された様式を採用した。大きな声での発声を重視したが,日本語らしいイントネーションを生み出す仕掛けとして,「発音」というより「発声」に注意を向けさせることはよいきっかけになる。天理大学と文化大学両校の学生が一緒に演じるという夢を実現するためにも,日本語劇が再び恒例の伝統行事となってくれたら嬉しい。
著者
横山 篤夫
出版者
天理大学人間学部総合教育研究センター
雑誌
総合教育研究センター紀要 (ISSN:1347975X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.101-116, 2011

1996年の中央教育審議会答申は,従来の反省を踏まえたゆとり教育の柱の一つとして総合的な学習の時間を設けることを提言した。 これをうけた学習指導要領の改定で,2002年度から総合的な学習の時間が学校で実施されることになり,各大学ではそのための教職に関する科目として総合演習が開講された。しかし実施されて間もなく「ゆとり重視の学習指導要領が学力低下を招く」とする批判論が強くなった。そのため文科省は見直しを指示し,2011年度から実施された新学習指導要領では総合的な学習の時間は削減された。その結果多くの大学では総合演習は廃止される。 こうした動向中2002年度から本学体育学部で総合演習を担当する機会を得た筆者が,この10年間にめざしたことと取り組んだことの概要とそこで考えたことを報告したい。
著者
角 克明
出版者
天理大学人間学部総合教育研究センター
雑誌
総合教育研究センター紀要 (ISSN:1347975X)
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-18, 2014

本稿の目的は100 年前に開業した天理軽便鉄道の旅客輸送の特色を地理学的な視点で明らかにすることにある。天理軽便鉄道は天理教教会本部へ参拝に訪れる帰参者にとって国有鉄道経由よりも短絡路線であり、乗継パターン数、所要時分、乗継時分、運賃のうえでも優位性をもっていた。また、天理軽便鉄道は旅客輸送に特化しており、全区間利用の帰参者のほか、区間利用の旅客も少なくなかった。新法隆寺、二階堂、天理は乗降客の多い主要駅であったが、国有鉄道の法隆寺や丹波市の乗降客に比べるとその規模は極めて小さかった。なお、天理軽便鉄道時代を中心に各駅の乗降には偏りがみられ、偏りが大きかった新法隆寺と安堵についてその要因を分析した。従来から説明される帰参者が復路で奈良に出る行動を実証できなかったが、新たに安堵を利用する旅客の行動が両駅の偏りを生み出した要因のひとつである可能性を示した。天理軽便鉄道には、天理教の大きな祭典時など短期間のうちに大量輸送を行う輸送力や国有鉄道のような広範囲にわたるネットワークが欠落していたため、もくろみどおりの旅客を集客しきれなかったことなどが明らかにされた。
著者
角 克明
出版者
天理大学人間学部総合教育研究センター
雑誌
総合教育研究センター紀要 (ISSN:1347975X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.29-50, 2011

本稿の目的は近現代の交通や旅行・観光に関するアカデミックな研究における『時刻表』資料の活用事例を示し,その資料性をみることにある。『時刻表』掲載情報はマクロな地域スケールでとらえる場合,あるいは時系列的な変化をみる場合などで資料的価値を発揮するものと考えるが,国有鉄道とその他の交通機関の間には,情報量の差が認められた。『時刻表』の諸問題に留意しつつ,具体的な事例提示と検証は,主題図から正確な地図情報を読みとり,廃止鉄道路線や観光地などを考察した事例,基本データの国有鉄道列車時刻から通勤・通学や観光輸送などをみた事例,固有鉄道に比べて掲載情報の少ない沿岸航路の距離と運賃の関係を分析した事例,利用者側の情報として乗車率の季節波動をとらえた事例で行った。これらの視点や方法では『時刻表』の資料的価値が明らかである。

1 0 0 0 IR 同行相殺

著者
徳野 剛
出版者
天理大学人間学部総合教育研究センター
雑誌
総合教育研究センター紀要 (ISSN:1347975X)
巻号頁・発行日
no.6, pp.9-15, 2007

銀行で割り引いた受取手形が不渡りとなった場合には,その銀行に手形の支払い義務の預金があれば同行相殺を頼む方法がある。最大判昭和45・6・24は,「相殺権を行使する債権者の立場からすれば,…受働債権につきあたかも担保権を有するにも似た地位が与えられるという機能を有する」とし,ついに無制限説をとった。しかし,同行相殺がどの程度認められるかの検討が必要となり,この点について述べた。