著者
竹内 嘉江 小出 博志 増野 和彦 松瀬 収司
出版者
長野県林業総合センター
雑誌
長野県林業総合センター研究報告 (ISSN:1342775X)
巻号頁・発行日
no.20, pp.41-64, 2006-05

アカマツ林におけるマツタケ増産のための環境改善施業効果について,平成12~16年の5年間調査と試験を行った。主な内容は次のとおりである。(1) 上伊那郡辰野町と下伊那郡豊丘村に各々0.5haの試験地を設定して,気象観測と発生量調査等を行った。(2) マツタケのシロ数は,5年間に辰野町施業区では1箇所,対照区では0箇所で変動なく,豊丘村施業区では22箇所,対照区では8箇所で変動がなかった。(3) 豊丘村試験地での5年間の子実体発生状況をみると,施業区では合計1,137本,46.3kgとなり,対照区と比較して340%本,359%生重となった。(4) 5年間の豊丘村施業区での発生本数の推移をみると,25年間の平均値と比較して127,34,63,138,114%となり,作柄の規則性は認められなかった。(5) イノシシ掘り起こし被害を防止するため,n-ラク酸を散布する試験を行ったが,効果判定は明確にできなかった。(7) シロの前線に位置する広葉樹の根圏を枯らしてシロを広げる施業を行ったところ,子実体発生本数の増加が認められた。(9) 子実体発生本数と気象条件との関係を調べた結果,相関係数r=0.82となる豊凶指数を見出すことができた。

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