著者
大塚 眞理子
出版者
千葉看護学会
雑誌
千葉看護学会会誌 (ISSN:13448846)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.20-26, 2001-06-30

本研究の目的は,在宅要介護高齢者と介護者である配偶者(以下高齢夫婦)は互いにケアしあう存在であるという前提にたって,高齢夫婦のケアしあう関係とケアしあう関係を促進する看護援助を明らかにすることである。作成した[ケアしあう関係を促進する援助の指針]に基づき3人の要介護高齢者とその介護者である配偶者を看護し,その看護経過を詳細に調べ,高齢夫婦のケアしあう関係を促進する看護援助を検討した。結果は以下の通りである。高齢夫婦のケアしあう関係は,〈両者はそれぞれの体力と心にゆとりができ相手をケアする可能性がある〉〈両者は相互理解している〉〈両者は互いに相手の価値を認めている〉〈両者は互いに相手に専心している〉〈両者は互いに相手の成長を助けている〉〈それぞれが相手へのケアを通して自分の生の意味を感じている〉が見いだされた。高齢夫婦のケアしあう関係を促進する援助は,【相手をケアするゆとりを生み出す援助】【ケアする相手への専心を促進する援助】【相互ケアを促進する援助】【相手に対するケアを促進する援助】【相手をケアするゆとりの支援を外部・他の家族に求める援助】に集約された。老化や健康障害により心身のゆとりを失った高齢夫婦の双方に対する【相手をケアするゆとりを生み出す援助】,要介護状態でのつらさや心身のゆとりがない状態での介護などから離れた心を再びつなぐ【ケアする相手への専心を促進する援助】ならびに,老化や要介護状態などで役割を失った夫婦が新たに協働したケアをはじめるよう促す【相互ケアを促進する援助】はすべてのケアしあう関係を促進するのに関連しており,高齢夫婦のケアしあう関係を促進

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老老世帯の場合、夫婦で一つのユニットであり、ユニットとしてのADLを始めとしたFunctionを評価しようというのは、大塚真理子先生の「高齢夫婦のケアしあう関係を促進する看護援助に関する研究」という看護研究を医学・医者のプラクティスに実装させようという発想です https://t.co/UZntKrclnu

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