- 著者
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光延 忠彦
- 出版者
- 千葉大学大学院人文社会科学研究科
- 雑誌
- 千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
- 巻号頁・発行日
- no.24, pp.32-45, 2012-03
2010 年度は地方政治において興味深い政治現象が生じた年であった。3月には橋下大阪府知事の主導するローカル政党「大阪維新の会」の設立が、4月には河村名古屋市長を代表とする「減税日本」の結党が、そして年明けの2011 年1月には、鹿児島県竹原阿久根市長への解職請求による失職といった事態が生起されたからである。一見、これらの現象は無関係に見えるが、しかし、「首長と議会の関係」という視覚からすれば、3者には共通しているものがあるようにも見える。果たして、3者に通底するものはあるのか、否か。この疑問に、従来から取り組んできて一定の知見を得ている東京都政の80 年代から90 年代初頭にかけての事例から接近してみようというのが、本稿の目的である。