著者
瀬戸 宏
出版者
摂南大学外国語学部「摂大人文科学」編集委員会
雑誌
摂大人文科学 = The Setsudai review of humanities and social sciences (ISSN:13419315)
巻号頁・発行日
no.24, pp.31-44, 2017-01

中国国家話劇院が二〇一二年にロンドンで初演した『リチャード三世』(王暁鷹演出)は、ロンドンオリンピック芸術活動の一環として企画された、ロンドン・グローブ座で三七の言語によって三七のシェイクスピア作品を上演するシェイクスピア演劇祭参加作品である。大胆に中国伝統演劇の技巧と中国文化要素を運用した上演であり、大きな成功を収め、その後も二〇一六年に至るまで再演が続いている。本論文は、まず中国での『リチャード三世』受容史を概観した後、中国国家話劇院版『リチャード三世』の上演の特徴、とりわけ演出家がどのように中国伝統演劇の技巧と中国文化要素を運用したかに重点を置いて分析したものであり、大量の伝統演劇技巧が用いられているものの、その本質は話劇(現代演劇)であることを明らかにした。また、話劇(現代演劇)が伝統演劇の技巧を用いてシェイクスピア劇を上演することと、伝統演劇がシェイクスピア劇を上演することの相違を、解明した。

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