- 著者
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松村 真木子
Makiko MATSUMURA
- 出版者
- 埼玉学園大学
- 雑誌
- 埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 (ISSN:13470515)
- 巻号頁・発行日
- no.16, pp.145-157, 2016-12
PCやスマートフォンの汎用化と、多様なSNSの登場によるインターネット社会の広がりとともに、インターネット上の個人情報に対する意識や評価が変化した。2000年から2016年8月までの新聞記事を分析し、その変化の経過をたどる。スパイウェアによって個人情報が抜き取られることは危険であると問題視されていた時代から、個人情報は、同意の上で収集するものであるとの個人情報保護法制を経て、匿名化すれば同意がなくても二次的に活用される時代になった。個人情報の利用とプライバシー保護との関係は、法律上で検討されるだけではなく、監督する政策側、利用する企業、提供する個人それぞれが、インターネットの仕組みを技術的に理解したうえで議論されることが望ましい。すなわち、同じ技術的理解の基盤に立ち議論をすることで、次の時代を創ることができるのである。