著者
松村 真木子 Makiko MATSUMURA
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
no.16, pp.145-157, 2016-12

PCやスマートフォンの汎用化と、多様なSNSの登場によるインターネット社会の広がりとともに、インターネット上の個人情報に対する意識や評価が変化した。2000年から2016年8月までの新聞記事を分析し、その変化の経過をたどる。スパイウェアによって個人情報が抜き取られることは危険であると問題視されていた時代から、個人情報は、同意の上で収集するものであるとの個人情報保護法制を経て、匿名化すれば同意がなくても二次的に活用される時代になった。個人情報の利用とプライバシー保護との関係は、法律上で検討されるだけではなく、監督する政策側、利用する企業、提供する個人それぞれが、インターネットの仕組みを技術的に理解したうえで議論されることが望ましい。すなわち、同じ技術的理解の基盤に立ち議論をすることで、次の時代を創ることができるのである。
著者
松村 真木子 Makiko MATSUMURA
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
no.15, pp.165-178, 2015-12

インターネットが家庭に定着した2007年から2015年の時期における、子どもをめぐるインターネット環境の変化を、朝日、毎日、日経各紙の記事から分析した。通話のPHS時代、メールの携帯時代を経て、2013年から中高生は一気にLINEのスマホ時代に突入した。そして、子どもをトラブルから護るための対策であったフィルタリングが有効性を失った。メール時代から続く「即レス」(すぐに返事をすること)が、LINEのチャットで加速した。仲間はずれにならないために深夜までチャットに参加し、子どもたちは疲弊している。さらに、SNSで誰もが不特定多数に対し情報を発信し交流できる環境は、さまざまなトラブルに出会う危険性をはらんでいる。このような時代の実情をふまえて、まずネットの仕組みを理解させること、そのうえで子どもの心の成長に合わせて、子どもたち自身が、チャットの時間帯を含めてネットの安全な使い方を考えられるようなサポートが必要である。
著者
松村 真木子 マツムラ マキコ Makiko Matsumura
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.44, pp.51-65, 2011-01

本研究は、判断力、理解力、行動力が発達する小学校5年生の親子と、親から精神的に独立をはじめる中学2年生の親子を対象に実施した調査から、インターネットの使い方と家庭でのルールや親の考え方について年齢と性別により比較し、子どもと親と教師との関係を検討した。 年齢とともに、インターネットの利用方法は、SNSやブログ(プロフ)と多様化する。中学生になると、SNS、ブログ(プロフ)を介して「友達」ができる生徒がいる。親はルールが必要であると思っているが作り方が分からず、子どもの年齢が上がるにつれて不安を感じている。子どもたちがインターネットを使っていて問題が生じたときに頼りにするのは、学校の教師ではなく親であった。小学生のうちは、親が子どもの利用方法を管理し、児童も親に依存している。しかし、中学生になると、生徒は親への依存が減少し親の管理が減る。このように年齢に応じて、インターネット利用上の親子の関係が変化する。そのため、子どもの年齢に応じた情報セキュリティ学習システムの構築が必要である。This paper reports findings from two surveys with 11-year-old pupils, with 14-year-old students and their parents on the attitudes to internet. The results showed that 14-year-old students use SNS, read and write blogs more than 11-year-old pupils. Some students have 'friends' they have not met face-to-face through the sites of SNS and the blogs. Parents want to settle some rules for their children in accessing internet, but in vain with less knowledge or understanding of the internet structure. When children need their help on the internet, they require not their teachers'help but their parents'. According to the growth of age, the relationship between children and their parents is gradually changing. The students depend on their parents less than the pupils. And the students'parents can manage their children's practices on the internet less than the pupils'parents. So that, IT Security Education program for children and their parents, which suites children's glowing and developing internet use stages, should be provided.
著者
松村 真木子 Makiko MATSUMURA
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
no.17, pp.281-294, 2017-12

学習指導要領の改定が平成22年(2010年)に公示され、平成25年4月1日の入学生(2013年)から「情報と社会」「情報と科学」が導入された。2011年にLINEが登場すると、爆発的にスマホが浸透し、高校生をめぐるインターネット環境は劇的に変化した。本稿では、高校生が情報を安全に使うために必要となる項目を抽出して「情報と社会」の教科書を検討する。たとえば、自分が使う情報端末の管理、インターネットの仕組みと使い方、個人情報の保護、SNSの使い方、公開された情報は消せない、ネットいじめなどである。個々の項目について各教科書は丁寧に説明しているが、情報端末の仕組みやインターネットにつながる仕組みとインターネットの安全な使い方を関連づけて伝えていない。それぞれを別々に解説しているため、その関連性を読み解くのは難しい。情報機器やインターネットの仕組みと安全な使い方を関連づけて教えることで、高校生は情報を安全に使えるようになる。
著者
松村 真木子 Makiko MATSUMURA
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
no.14, pp.113-125, 2014-12

ウィンドウズXPが2001年に登場してから12年を経て延長サポートが終了した。その間、一般ユーザーが増加し、高速通信の環境が整い、ブログ、SNSなど多様な方法で一般ユーザーが情報を発信するようになった。一方、一般ユーザーを標的にするウイルス、スパイウェアなど悪意の脅威が活発に活動し巧妙化した。2000年から2014年までの情報セキュリティに関する新聞記事を分析し、ウィンドウズXP時代のインターネット環境の変化を振り返り、一般ユーザーのセキュリティ意識がいかに啓発されてきたかを考察した。新聞は、一般ユーザーがインターネットを安全に利用するための知識を学ぶ重要な手段である。今後セキュリティ情報に、PCの構造やインターネットがつながる仕組みを基本的に伝えることを含めると、よりいっそうユーザーの理解が深まり、積極的にセキュリティ対策をとるようになる。
著者
松村 真木子 Makiko MATSUMURA
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 = Bulletin of Saitama Gakuen University. Faculty of Humanities (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.165-178, 2015-12-01

インターネットが家庭に定着した2007年から2015年の時期における、子どもをめぐるインターネット環境の変化を、朝日、毎日、日経各紙の記事から分析した。通話のPHS時代、メールの携帯時代を経て、2013年から中高生は一気にLINEのスマホ時代に突入した。そして、子どもをトラブルから護るための対策であったフィルタリングが有効性を失った。メール時代から続く「即レス」(すぐに返事をすること)が、LINEのチャットで加速した。仲間はずれにならないために深夜までチャットに参加し、子どもたちは疲弊している。さらに、SNSで誰もが不特定多数に対し情報を発信し交流できる環境は、さまざまなトラブルに出会う危険性をはらんでいる。このような時代の実情をふまえて、まずネットの仕組みを理解させること、そのうえで子どもの心の成長に合わせて、子どもたち自身が、チャットの時間帯を含めてネットの安全な使い方を考えられるようなサポートが必要である。