著者
井上 優 Masaru INOUE
出版者
国立国語研究所
雑誌
研究報告集 = Occasional Papers
巻号頁・発行日
no.14, pp.333-360, 1993-03

国立国語研究所日本語の「ヨ」(低)を含む命令文は,「動作を実行するよう要求する」ためではなく,「当該の動作が実行されるべき時に実行されなかったことを非難する」ために用いられることがある。(締切日の翌日にレポートを出しに来た学生に)ちゃんと昨日のうちにレポートを出してくださいよ(低)。このことをふまえ,本稿では,(i)日本語の命令文の第一の機能は「話し手の意向が聞き手の知識に導入されるよう働きかける」ことにある,(ii)命令文の機能の決定には次の二つの要因が関与する,ということを主張する。・「現在動作実行のタイミングにある」「現在動作実行のタイミングにない」のいずれを前提とするか(タイミング考慮/タイミング非考慮)・「話し手の意向と矛盾することがらが存在する」「話し手の意向と矛盾することがらがない」のいずれを前提とするか(矛盾考慮/矛盾非考慮)日本語の場合,(i)は種々の文法形式により,(ii)は終助詞及びイントネーションによって表される。17の書名 : 国立国語研究所研究報告集

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