著者
和田 謙一郎
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学大学院研究論集 (ISSN:18836364)
巻号頁・発行日
no.11, pp.53-79, 2016

この国で類を見ない人権侵害を継続し続けたハンセン病(らい)問題については、司法判断までの経緯や当事者(ハンセン病回復者)らの考え方について、似た分類に入る他の訴訟との相違点を感じる部分が多い。この素朴な疑問を解決するためには、戦後の現行憲法下のらい法制と、当初から強制隔離の対象となった療養所入所者の生活状況、そして、らい法制を含むわが国の国民の生活保障を担う社会保障法制について、一連のらい法制を旧来の保護と考えるか、侵害法制と考えるか、あるいは給付法制と考えるか、それら各法制を時代別相互に確認する必要がある。同時に、戦後に再形成されるハンセン病患者らへの社会的排除と、社会保障法制下の制度的排除が生じる原因の解明も必要となる。本稿は、戦後の時代背景を捉え、らい法制と社会保障法制の変遷も確認し、行政・立法、そしてハンセン病患者らが、戦後のらい法制を、その時代、その時代にどのように捉えていたかを司法判断を参考にし先の疑問の解明を試みる。

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こんな論文どうですか? 司法判断からみるハンセン病問題 (愼英弘教授退任記念論集)(和田 謙一郎),2016 https://t.co/AnTj9nJFxU

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