著者
福嶋 美佐子
出版者
法政大学公共政策研究科『公共政策志林』編集委員会
雑誌
公共政策志林 = Public policy and social governance (ISSN:21875790)
巻号頁・発行日
no.5, pp.165-179, 2017-03

本研究の目的は,「才能をめぐるグローバル競争」の時代において,外国人高度人材の予備軍として留学生を積極的に受け入れようとしている韓国とオーストラリア,日本の留学生政策を比較し,日本における政策において必要とされる点を見出すことである。3か国の比較を通じて,かつては日本を手本としていた韓国は,留学生獲得に積極的に乗り出し,定住を視野に政策を組み立て始めていること,オーストラリアも留学生政策と移民政策が連動しており,高度人材予備軍としての留学生を総合的に管理,育成するシステムができていることが明らかとなった。留学生受け入れ機関の質的保証や,留学生の総合的管理など質に関しては日本のモデルケースとなるものの,留学生の非熟練労働者への移行など質を保ちながら量を確保することの難しさもあり,考慮しながら応用する必要があると思われる。

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