著者
渡邉 浩司
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.47, pp.495-508, 2015

キリスト教の聖人の祝日が記載されている中世の暦は,キリスト教世界の記憶と異教世界の記憶がぶつかり合う場であり,ヨーロッパの文化を理解するための重要な鍵となっている。本稿は,暦上でそれぞれ6月24日と12月27日に祝日を持つ,洗礼者ヨハネと福音史家ヨハネという2 人の聖ヨハネをめぐる神話学的考察である。2人の聖ヨハネの祝日がほぼ「夏至」と「冬至」に対応するのは偶然ではない。西洋の占星術伝承によれば,「夏至」と「冬至」はそれぞれ「蟹座」と「山羊座」に対応するため,2人の聖ヨハネは「至点の扉」の門番の役割を果たしているのである。門番の雛形は,2つの顔を持つ古代ローマの神ヤヌスであり,中世のキリスト教世界はヤヌスを 人の聖ヨハネとして再解釈した。一方で「蟹座」と「山羊座」の守護星がそれぞれ「月」と「土星」であることは,2人の聖ヨハネが「メランコリー」の影響下にあったことも示唆している。

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こんな論文どうですか? 2人の聖ヨハネをめぐる神話学的考察 (創立50周年記念号)(渡邉 浩司),2015 https://t.co/Vwlgby5DLz
こんな論文どうですか? 2人の聖ヨハネをめぐる神話学的考察 (創立50周年記念号)(渡邉 浩司),2015 https://t.co/Vwlgby5DLz
https://t.co/VHkx4CqORR 2人の聖ヨハネの祝日がほぼ「夏至」と「冬至」に対応するのは偶然ではない「夏至」と「冬至」はそれぞれ「蟹座」と「山羊座」に対応する一方で「蟹座」と「山羊座」の守護星がそれぞれ「月」と「土星」

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