著者
野本 和幸
出版者
国際基督教大学キリスト教と文化研究所
雑誌
人文科学研究 : キリスト教と文化 : Christianity and culture (ISSN:00733938)
巻号頁・発行日
no.48, pp.55-101, 2016-12

フレーゲは、第一に、「数とは何か」という問いに対し、自ら考案した記号言語により、史上初の高階述語論理の公理体系化を達成し、その論理的基礎から、数論全体を論理的に導出しようと試みた。第二に、その体系構成の「予備学」として、日常のドイツ語をいわば「メタ言語」に用い、当の記号言語自身の統語論についてのメタ的説明や、自らの論理的カテゴリー区分(対象と型つきの概念・関係)、意味論的区別(意味と意義等)を解明し、第三に、全欧規模で数学者・論理学者・哲学者と充実した誌上および書簡論争を行った。 以上の論理学・数学基礎論上の仕事に加え、フレーゲは意味と意義の区別をはじめ、現代の意味論・言語哲学の原型を与えた。

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