著者
高橋 雅人 Masahito Takahashi
出版者
神戸女学院大学女性学インスティチュート
雑誌
女性学評論 = Women's studies forum (ISSN:09136630)
巻号頁・発行日
no.31, pp.133-153, 2017-03

本論文は、プラトン『法律』には女性性を評価する視点があることを論証しようとするものである。そのために、まず一節でプラトンの『法律』でクレイニアスの求めに応じてクレテ島に建設されることになるマグネシアにおける女性の主に政治との関わりについて確認する。ついで二節において、『法律』における結婚の意義について『国家』の妻子共有論と比較しながら考察する。三節ではプラトンの女性の「本性」観を検討し、女性性と節制との関係を明らかにした上で、『法律』が節制を重んじる対話篇であることから、プラトンが女性性を重視していることを明らかにする。

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