- 著者
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片岡 直樹
KATAOKA Naoki
- 出版者
- 新潟産業大学経済学部
- 雑誌
- 新潟産業大学経済学部紀要 (ISSN:13411551)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, pp.33-47, 2017-07
日本における乾漆像には脱活乾漆像と木心乾漆像の2種類がある。このうち脱活乾漆像は中国(唐)からもたらされた技法によるもので、7世紀半ばから8世紀(白鳳時代~天平時代)にかけてつくられた。木心乾漆像は日本独自のもので、8世紀末から9世紀初頭(天平時代末期~平安時代初頭)につくられた。本稿では日本の乾漆像の主要な作例について、その成立過程と制作技法を紹介するとともに、中国・韓国の作例との比較を通して若干の私見を述べることにしたい。