著者
大澤 剛士 畑 憲治 可知 直毅
出版者
首都大学東京小笠原研究委員会
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
no.40, pp.13-23, 2016

導入種が同一の生態系内に共存している場合、一方の根絶が予期せぬ波及効果をもたらす場合がある。聟島列島媒島は、ヤギの根絶後、外来低木であるギンネムLeucaena leucocephala(Fabaceae)が急速に分布域を広げている。本研究は、ヤギの根絶に伴ってギンネムが勢力を拡大したという仮説を、航空写真判読および現地調査によって検証した。 その結果、ヤギ駆除後、島の土地被覆は裸地から草地に、続いてギンネム林に変化していったことが示唆された。このことから、ヤギはギンネムの繁茂を抑制していたこと、現在ギンネム林に近接している草地は、将来的にギンネム林に変化してしまう危険性が高いことが示された。

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