著者
梶井 直親
出版者
法政大学大学院
雑誌
法政大学大学院紀要 (ISSN:03872610)
巻号頁・発行日
no.79, pp.87-94, 2017

物語を提示するメディアは様々な種類がある。物語理解過程の研究はそのメディアごとに検討されている。そのため,メディアの枠を超えた統一的な物語理解過程モデルは検討されていない。本研究ではメディアの類似性を視聴者がどのように主観的に認識しているかについて調査した。本調査では7 つのメディアを採用した。具体的には,小説,絵本,漫画,アニメーション,実写映画,芝居,ミュージカルの7 つであった。参加者は21 対のメディア同士の類似度について評定する質問紙に回答した。この評定値はクラスター分析と多次元尺度構成法(MDS)で分析された。クラスター分析の結果,2 つのグループにまとまった。1 つは小説と絵本,漫画,アニメーションのグループであり,もう一方は実写映画と芝居,ミュージカルのグループであった。多次元尺度構成法では,アニメーションは小説や絵本,漫画の近くに配置された。つまり,アニメーションは視聴覚のメディアであるが,視聴者はアニメーションを視覚的メディアに近いと認識していると考えられる。本研究の結果から,アニメーションや絵本,漫画の理解過程には,文章の理解過程モデルを応用することができると提案する。

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アニメは映画や芝居と同じ視聴覚室メディアであるが、漫画などの視覚メディアに近いと感じている 言われてみれば CiNii 論文 -  私たちは物語を提示するメディア同士の類似性をどうとらえているか https://t.co/Aa9U04cioU #CiNii
梶井直親「私たちは物語を提示するメディア同士の類似性をどうとらえているか」『法政大学大学院紀要』79、2017年。https://t.co/K8S3YBQgrd
こんな論文どうですか? 私たちは物語を提示するメディア同士の類似性をどうとらえているか(梶井 直親),2017 https://t.co/lw2aBd6wCe

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