- 著者
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植村 和美
- 出版者
- 大阪教育大学附属高等学校池田校舎
- 雑誌
- 研究紀要
- 巻号頁・発行日
- no.45, pp.17-82, 2012-11-20
平成25年度より高等学校新学習指導要領が実施され、また、時を同じく平成25年、OECD国際成人力調査PIAAC(成人が持っている日常生活や職場で必要とされる技能)に基づく社会における「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力」の国際報告書が提出され、学校教育がより社会と連動し「生きる力」をはぐくむ基盤となることが期待されている。これまでもOECDの掲げる三つのキー一・コンピテンシー「(1)社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力」、「(2)多様な集団における人間関係形成能力」、「(3)自立的に行動する能力」に基づくPISA型学力を見据え、自分・他者・社会という三つの関わりを意識した学習活動を進めてきたが、今後いっそう新学習指導要領の掲げる「言語活動の充実」とりわけ「批評、論述、討論など」「伝統や文化に関する教育の充実」が国語教育の重要課題となる。 PISA、PIAACともに提唱する問題解決力・思考型学力の育成を模索しつつ、人間の根本的欲求である表現活動を言語活動と一体化させ、日本の古典文学や伝統文化を理解し自らの生き方への考察を深めるべく、中学・高校を連続する成長過程と捉え、池田地区中高連携学習活動を行った。