- 著者
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植村 和美
- 出版者
- 大阪教育大学附属高等学校池田校舎
- 雑誌
- 研究紀要
- 巻号頁・発行日
- vol.47, pp.27-48, 2014-11-28
本校は平成15年度ASPnetに加盟して以来、高校1・2年生「総合的な学習の時間」で国際理解教育の一環としてESD(持続可能な発展のための学習)に取り組み、問題解決に取り組む姿勢を育んできた。国際枠入学生徒を含め、国際社会に対する意識は高い。昨年10月、57期生は本校初めての海外修学旅行として多民族国家マレーシアを訪問し、多宗教・多言語・多文化といった社会の多様性に触れ、マラヤ大学学生と意見交流を行った。修学旅行までの1年間、「大テーマ(「"Look East政策" の今後」)」「8つの班別テーマ」「個人テーマ」と問題を焦点化し、ワークショップを重ね、修学旅行では、全28班(1班5~6人)による班別交流および全体交流を行い、マラヤ大学主催のJAPAN WEEK・JAPAN FESTIVAL メイン会場で生徒全員によるソーランダンスを披露し文化交流を行った。その交流は、様々な形で現在も継続している。私は国語科の教員として高校2年生古典を担当していたが、同時に「総合的な学習の時間II」「情報C」の授業も担当し、2年担任団の修学旅行主担として、1年間、授業や行事をさまざまな形でESDワークショップに取り入れた。学校では、1人の教員が多くの役割を果たさなければならないが、逆に言えば、1人の教員が多くの面から生徒に学びの機会を提供することができる。生徒自らが学校生活を自己実現の場としてデザインし実践するあり方を目指して、「マレーシア修学旅行」を軸に、「総合的な学習の時間」「学校行事」「情報C」と連携したESDの実践を報告する。