著者
末木 新
出版者
日本自殺予防学会
雑誌
自殺予防と危機介入 (ISSN:18836046)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.35-41, 2017-11

自殺対策の実施は公的資金に頼るところが大きいが、対策に対する税金の投入については、否定的な意識を持つ者が少なくない。そこで本研究では、自殺対策を不必要だと考えている者の特徴について探索的な検討を行った。調査はインターネット調査会社を介して、20歳以上の調査会社の登録モニターに対して実施された。2530名のデータを分析したところ、自殺対策への支払意思額の決定に関わる動機として「自殺対策は必要ないから」と回答した者(自殺対策を必要ないと考える者)は214名(8.5%)であった。ロジスティック回帰分析の結果、男性、未婚、低学歴、無職であることは自殺対策を必要ないと考える者であることと、親しい者の自殺の経験があることは自殺対策を必要ないと考える者でないことと統計的に有意に関連していた。本研究の結果、自殺対策に関する啓発活動のターゲットは自殺のリスク・ファクターとなるデモグラフィック属性を有している可能性が高いことが示唆された。

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CiNii Articles -  Those who think that promotion of suicide prevention is unnecessary have demographic risk factors of suicide : a secondary analysis of cross-sectional data collected via the Internet https://t.co/BwEiO6yKDT #CiNii

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