- 著者
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小林 浩子
- 出版者
- 羽陽学園短期大学
- 雑誌
- 羽陽学園短期大学紀要 (ISSN:02873656)
- 巻号頁・発行日
- vol.8, no.4, pp.419-427, 2010-02
トリイ・ヘイデンのノンフィクション小説『愛されない子』は、アルコール中毒の母親からネグレクトという虐待を受けて成長した美貌の女性ラドブルックが、彼女自身もアルコール中毒となり、自閉症の一人娘をうまく育てられず、自暴自棄な生活を送っていたさなか、トリイの担任する特殊学級に娘をあずけたことがきっかけで、ラドブルック自身もクラスに関わり、自ら虐待の連鎖を断ち切ってハビリテーションする物語である。 本稿では、虐待を受けて大人になり、みずからも虐待の連鎖に取り込まれて自暴自棄な生活を送る女性が、自らのトラウマに気付き、それを乗り越えていく過程を、トリイの特殊学級が彼女に体験させた「ハビリテーション」の教育という観点から考察する