- 著者
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秋田 茂
- 出版者
- 大阪大学大学院人間科学研究科教育学系
- 雑誌
- 大阪大学教育学年報 (ISSN:13419595)
- 巻号頁・発行日
- no.23, pp.153-167, 2018
特集 新教職課程にむけて2022年度から、高等学校歴史教育の科目編成は大幅な変更が予定されており、新たな必修科目として、世界史と日本史を統合した「歴史総合」科目が新設される。それに伴い、従来の「世界史A」「世界史B」は「世界史探究」科目に再編成される予定である。現在、新たな科目の学習指導要領の作成作業が進行しており、2018年3月には文部科学省から新学習指導要領が公表され、18年4月以降、それに基づいた教科書の執筆・作成の作業が始まる予定である。両新科目の中身(教育内容)については、日本学術会議をはじめとして、さまざまな提案がなされ、現在活発な議論が行われている。本稿では、特に新設科目である「歴史総合」科目の編成試案を、中教審答申を前提にしつつも、従来の「世界史A」「世界史B」での教育内容を踏まえて考察する。さらに、大項目「歴史の扉」と「近代化と私たち」に関わる具体的な授業例およびその解説を提示する。