著者
小野田 正利
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科教育学系
雑誌
大阪大学教育学年報 (ISSN:13419595)
巻号頁・発行日
no.23, pp.181-194, 2018

特集 新教職課程にむけて等閑視されつつあった「総合的な学習の時間」が、次期の学習指導要領では、重要なカリキュラムとして位置づけられるようになる。この一種の「手のひら返し」のような扱いの中で、今後における「総合的な学習の時間」あるいは「総合的な探求の時間」が、本当の意味での主体的・自律的な「学びと行動」になるためには、生徒たちの身近な問題をテーマとする必要がある。特に高校や中学校には、学校周辺に住む近隣住民からの「生徒の振る舞い、騒音」をはじめとした、多くの苦情・クレームが学校に寄せられる時代となっている。この場合、その対応にあたるのが教職員であり、生徒たちはその主たる当事者であるにもかかわらず、蚊帳の外に置かれて、窮屈な活動状態を余儀なくされることが多い。むしろこの身近なテーマ=課題を、探求的で問題解決的な活動で生徒たち自らが克服していくことが大事となっている。長野県立松本深志高校では、生徒が中心となって自らこの課題の解消に乗り出し、地域住民代表・生徒代表・教職員代表の3 者による「鼎談深志」の発足にこぎつけた。本稿では、この取り組みを参考にしながら、他の中学校や高校においても、「学校の抱える近隣トラブル」を「総合的な学習の時間」として積極的に取り組むことの意義を明らかにし、そのための実践的な指導方法と留意点を明らかにした。

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