著者
丸山 健一郎 マルヤマ ケンイチロウ Maruyama Ken'ichiroh
出版者
同志社大学大学院日本語学研究会
雑誌
同志社日本語研究 = Doshisha studies in Japanese linguistics (ISSN:21885656)
巻号頁・発行日
no.21, pp.30-42, 2017-12

阿部櫟齋(1867慶応3年)『絵入英語箋階梯』と石橋政方(1861文久元年)『英語箋』の対照調査の結果を示す。それにより本書は、序文に言及され先行研究に指摘される通り、『英語箋』の影響下に成立したと考えられる。但し、鳥之部扉裏の例言に記されるように、厳密には『英語箋』鳥部から抽出した内容に改編が加えられている。それにより、初学者向けの体裁でありながら、実質的には『英語箋』鳥部の改正増補を目指した内容となっている。また踊り字(繰り返し符号)による長音表記を含め、ひらがなでの長音表記の方法が複数みられ、幕末明治初期の通俗語学書の様相をよく示す資料であると云える。This paper presents a verification the relationship in two western learning materials that published in the late 19th century in Japan. In terms of word order and vocablary, ABE Rekisai's EIRI-EIGOSEN-KAITEI is based on ISHIBASHI Masakata's Eigo Sen. As the results of comparing the two materials, that Japanese entry headwords match 69.4%, English entry headwords match 63.2%, and KATAKANA notations for describe English words match 44.9% at between each other. ABE augmented EIRI-EIGOSEN-KAITEI and evolved it than Eigo Sen in terms of research on birds.

言及状況

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大正5年12月26日、石橋政方が死去。オランダ通詞で、幕末期に英語も習得。明治期には外務省に出仕した。丸山健一郎「阿部櫟齋(1867慶応3年)『絵入英語箋階梯』について」(『同志社日本語研究』21)は、石橋が文久元年に著した『英語箋』が、他の著作に与えた影響を分析。 https://t.co/RMU8TEVOtN

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