著者
星野 晴彦
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
no.35, pp.23-35, 2013-03-01

現在人間性が強調されながらも、他方で非人間化、人間の束縛が増大している。人間性を生かすはずのものが、制度や組織や集団化によって非人間化、非情化が行われつつある。その中でホスピタリティが現在多く取り上げられるようになった。本稿では、福祉サービスにおいてどのようにホスピタリティの理念が活用されうるかを探るため、新約聖書の中に現れる「ホスピタリティ」を検討した。結果、「見知らぬ人のため」「無償で自分を投げ出す」「行動化」「自発性」「徹底的に一人の人間と向き合う」の5つのキーワードが抽出された。現在の福祉サービスはともすると、効率性を追求して、マニュアル化して人間をかけがえのないものとして認識するという本質を見失う危険性がある。上記のホスピタリティの原点に目を向けることが、それを戒める契機となれば幸いである。

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