著者
浅野 正
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
no.36, pp.195-206, 2014-03-01

犯罪被害者を保護する法制度の整備が着実に進む中、被害者の精神的健康や望ましい被害者支援の在り方に関心が向けられている。犯罪被害者は自然災害や交通事故などと同様に、外傷後ストレス障害を引き起こしやすいことが知られている。外傷後ストレス障害と関連する危険因子のなかでも、犯罪被害支援の実践に役立つと思われる。被害経験を周囲に伝えようとする被害者の態度と、周囲の否定的・肯定的反応を取り上げた実証的な研究を本稿では詳しく紹介する。犯罪被害支援の実践現場、その中でも特に本稿では、被害者参加制度や証人の保護制度などが導入されている裁判所を取り上げる。被害者の精神的健康に関する調査や研究から引き出される知見を踏まえながら、裁判所で生じやすい二次被害を克服し、被害者の精神的健康の促進を図る被害者支援の在り方を検討する。

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