著者
浅野 正
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
no.37, pp.89-95, 2015-03-01

臨床心理アセスメントの実践の中で、複数の心理検査を組み合わせて実施するテストバッテリーが重視される。包括システムによるロールシャッハテストの警戒心過剰指標と、統合型HTPの描画特徴との関連を調べることが、本研究の目的であった。精神病院での43名の患者を調査対象とし、統合型HTPの統合性や遠近感などの評定項目について、警戒心過剰指標が陽性か陰性かによる人数差を、χ2検定により検討した。その結果、ロールシャッハテストの警戒心過剰指標が陽性である対象者ほど、統合型HTPで羅列的な描写は少なく、遠近感や奥行きを表現しながら、全体を統合して絵を描く傾向が表れた。不安定な愛着関係から、周囲に対する警戒心や疑い深さが増し、自分と他者との関係を意識しすぎることが、統合型HTPの描画特徴に反映されていると考えられた。

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こんな論文どうですか? ロールシャッハテストの警戒心過剰指標と統合型HTPの関連について(浅野 正),2015 https://t.co/rMcAv4jLKt 臨床心理アセスメントの実践の中で、複数の心理検査を組み合わせて実施するテストバッテリーが…

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