著者
中尾 七重
出版者
文化学園大学
雑誌
文化学園大学・文化学園大学短期大学部紀要 = Journal of Bunka Gakuen University and Bunka Gakuen Junior College (ISSN:24325848)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.29-38, 2018-01

九州には、広間型間取のテノマ・ナカエ接合分棟型民家と、縦割型間取の平行二棟造系分棟型民家が分布している。そのうち、平行二棟造系民家は、佐賀県南部・福岡県南部・熊本県北部に分布する。この分布域は、肥前守護小弐氏の支配領域および肥後守護菊池氏の支配領域と重なり合うが、守護家活動期と民家建設時期に同時性はない。平行二棟造系民家は、室町幕府の後継者たる江戸幕府の九州支配正統性を示すため、旧守護家支配地にのみ、この民家形式を許可した在地政策が成立起源と推測される。

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