- 著者
-
木下 一雄
- 出版者
- 名寄市立大学保健福祉学部社会福祉学科
- 雑誌
- 名寄市立大学社会福祉学科研究紀要 (ISSN:21869669)
- 巻号頁・発行日
- no.8, pp.49-61, 2018-03
多くの精神障害者は働きたいという希望とその力を持っている。しかし、地域社会の精神障害者に対する理解不足や適切な支援がなされていないこと、関係機関や企業等のネットワークと連携が不足していることが、精神障害者の就労を困難にしていると考えられる。 精神障害者の就労促進のためには、精神障害者が今まで暮らしていた地域で、自分らしく当たり前に生活していくことが出来る地域社会環境を構築することが必要であり、そのような環境を実現するための知見の一助とすべく、K市障がい者就業・生活支援センター職員に対する聞き取り調査を行った。 調査対象のK市は、病院と就労支援センターが共同して支援体制を構築する活動を進めている先進地域である。今後、周辺地域の過疎化が進んでいくとともに必要になる広範な地域を支援していくための有効な方策についての手がかりにつながって行く知見を得ることができると考え、調査対象地域とした。 精神障害者の社会復帰を困難にしている現状を明確にし、精神障害者を取り巻いている課題や問題点とどのような支援をしていくことが求められているかについて検討した。