著者
石川 敬史
雑誌
十文字学園女子大学紀要 = Bulletin of Jumonji University (ISSN:24240591)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.187-201, 2018-03-24

移動図書館とは、単に図書を運ぶ自動車ではなく、地域に「図書館」が「移動」する活動である。「館(やかた)」の多様な蔵書や図書館活動のうち、何を選択して運ぶかが重要である。しかし、日本の移動図書館の台数は、東日本大震災以降もほぼ横ばいが続き、豊かな移動図書館活動が確実に広がっているとはいえず、移動図書館担当者が集う場も十分ではない。これからの移動図書館活動の可能性を拓くためにも、まずは現在の移動図書館活動の傾向や特徴や課題を明らかにする必要がある。そこで本研究では、戦後期から行われた複数の移動図書館実態調査を踏まえながら、埼玉県内の公立図書館(1県,63市町村)を対象に、移動図書館活動の実態を調査した。方法は質問紙調査とし、①廃止理由、②積載資料、③巡回方法・ステーション数、④業務内容・人員、⑤今後の展望等に関する設問に回答いただいた。こうした回答と、国内における過去の実態調査の結果とを比較し、今後の移動図書館活動の課題と展望について、①図書館資料の「移動」へ、②図書館員の「移動」へ、③図書館の「移動」への3点の視角から考察した。

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