著者
岡田 陽介
出版者
拓殖大学地方政治行政研究所
雑誌
拓殖大学政治行政研究 = The journal of politics and administration (ISSN:24239232)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.81-94, 2018

期日前投票制度は,近年,期日前投票所の増設や制度の認知が進み,国政・地方選挙問わず,その利用者が増加してきた。本稿の目的は,期日前投票の利用者,ひいては,積極的に利用する有権者がどのような要因によって規定されているのかを探ることにある。本稿では,2017 年2 月から3 月にかけて福島県内の有権者1,200 人を対象に実施した郵送調査の分析を行った。分析の結果,期日前投票に対しては,教育程度の一貫した正の効果と党派的な動員の正の効果が認められた。日本の投票参加にまつわる既存研究では,教育程度は年齢との相関が高く,投票参加に対して必ずしも直接的な効果を持たないとされてきた。しかしながら,本稿の分析結果は,相対的に認知コストや意思決定コストを必要とする期日前投票では,教育程度が主要な要因となることが確認された。

言及状況

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一部の選挙では既に期日前投票が始まっていますね。投票日に投票する人と期日前に投票する人の間には相違があるという話をよく耳にしますが、それを実証的に分析する研究は少ないです。岡田先生の論文は、その意味ではとても貴重な研究だと思います。https://t.co/nMB7XPUEHI

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