- 著者
-
蒔田 純
- 出版者
- 弘前大学教育学部
- 雑誌
- 弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
- 巻号頁・発行日
- vol.120, pp.43-56, 2018-10-12
本稿では、政治的リテラシーの向上・政治参加の促進という側面からシティズンシップ教育を捉え、その概念的背景や海外での動向を踏まえた上で、我が国における事例として八幡市・品川区の取り組みを取り上げる。またそれに基づき、両自治体におけるアンケート調査や選挙での投票率を用いて、シティズンシップ教育の効果について検討を行う。そこからは、シティズンシップ教育にも様々な形があり、自治体における大方針や教育枠組みによって内容や手法に相違が生じること、「意識」と「行動」という観点から見た時、シティズンシップ教育の効果は前者においてより顕在化しやすいこと、因果関係までは認められないが、少なくともシティズンシップ教育を受けた世代は同地域他世代・他地域同世代と比して相対的に政治参加が堅調と見られること、等が示される。