著者
蒔田 純
出版者
弘前大学大学院教育学研究科
雑誌
弘前大学大学院教育学研究科教職実践専攻(教職大学院)年報 (ISSN:24345628)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.9-21, 2019-03-20

本稿では,中学校社会科公民分野の教科書において,政治,特に民主主義に関わる事柄がどのように記述されているか確認した上で,政治学的観点から見た若干の提案を行う。「民主主義」は「多数者による支配」「多元主義・自由主義」「政治参加」「熟議」の四要素に区分され,それぞれについて各教科書間での共通点と相違点が示された上で,その内容に関して政治学が貢献し得る点が明らかにされる。
著者
蒔田 純
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.122, pp.47-57, 2019-10-21

自治体の意思決定を住民が直接行うために設けられる「住民総会制度」の持続可能性は、歴史・伝統と住民負担という二つの要因によって影響を受けると考えられる。歴史・伝統に基づく制度である場合、持続可能性に資するが、単に現代的な課題対処のために制度が設けられる場合、それは相対的に不安定となる。また首長の存在や住民負担軽減のための工夫が設けられている場合、持続可能性にとってプラスとなる。これらを踏まえると、米国ニューイングランド地方のタウンミーティング、スイス基礎自治体のゲマインデサルザムルング、日本の町村総会、という三つの事例からは、持続可能性という点で前二者と後者の間で相違が導かれる。
著者
蒔田 純
出版者
政策研究大学院大学 / National Graduate Institute for Policy Studies
巻号頁・発行日
2012-04-25

政策プロフェッショナルプログラム / Policy Professionals Program
著者
蒔田 純
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.120, pp.43-56, 2018-10-12

本稿では、政治的リテラシーの向上・政治参加の促進という側面からシティズンシップ教育を捉え、その概念的背景や海外での動向を踏まえた上で、我が国における事例として八幡市・品川区の取り組みを取り上げる。またそれに基づき、両自治体におけるアンケート調査や選挙での投票率を用いて、シティズンシップ教育の効果について検討を行う。そこからは、シティズンシップ教育にも様々な形があり、自治体における大方針や教育枠組みによって内容や手法に相違が生じること、「意識」と「行動」という観点から見た時、シティズンシップ教育の効果は前者においてより顕在化しやすいこと、因果関係までは認められないが、少なくともシティズンシップ教育を受けた世代は同地域他世代・他地域同世代と比して相対的に政治参加が堅調と見られること、等が示される。
著者
足立 幸男 飯尾 潤 細野 助博 縣 公一郎 長谷川 公一 田中 田中 小池 洋次 山谷 清志 金井 利之 田中 秀明 鈴木 崇弘 渡邉 聡 宇佐美 誠 土山 希美枝 秋吉 貴雄 佐野 亘 蒔田 純 清水 美香
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究プロジェクトによって以下の点が明らかとなった。日本政府はこれまで政策改善に向けた努力を疎かにしてきたわけではない(職員の政策能力向上に向けた施策の展開、省庁付属の政策研究機関および議員の政策立案作業支援のための機関の設置、審議会の透明化・民主化など)。大学もまた公共政策プログラムを矢継ぎ早に開設してきた。にもかかわらず、政策分析はいまだ独立したプロフェッションとして確立されておらず、その活用もごく限られたレベルに留まっている。我々は、政策分析の質を向上し、より良い政策の決定・実施の可能性をどうすれば高めることができるかについて、いくつかの具体的方策を確認することができた。