著者
安斎 恵子
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.90, pp.197-223, 2018

サミュエル・テイラー・コウルリッジ(Samuel Taylor Coleridge)は,主に幻想詩を通して「夢」の創造性の心理学的な実験を試みたが,メタファーとしての「夢」,夢見ること・夢想は,彼のさまざまな詩作品や思考のプロセスにおいて重要な意味をもち,自己と時間の意識に深々と関わり,作品に陰影を与えている。初期の書簡や創作,特に,実人生における経験を契機として書かれた詩作品や,1797年から1798年に書かれた会話詩に,夢・夢想と覚醒(意識の変化)のドラマを辿るとき,特有の「あわい」の感覚表現が注意を引く。本論は,若きコウルリッジの自己と時間の意識のなかに,夢・夢想の光と影を読み取る試みである。

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