- 著者
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佐々木 秀美
榎 久仁裕
- 出版者
- 広島文化学園大学看護学部
- 雑誌
- 看護学統合研究 (ISSN:13460692)
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.1, pp.1-24, 2018-12-21
本論では,わが国の公衆衛生及び福祉について,戦後の"日本国憲法"および憲法25条の成立過程を中心に,戦後のGHQ サムス准将による公衆衛生改革も含めて歴史検証を行った。"日本国憲法"成立の過程ではGHQ 指導下で強引に執行されたものであったが,しかし,両国間の対話を通して実行された憲法改正であり,指導したアメリカでさえ,実現不可能といわれる程に水準の高いものであった。特に,第25条はマッカーサー原案として提示された民生局の『憲法改正草案』にもなかった条文であり,その第25条の前文は,民間の憲法研究会から提案された『憲法草案要綱』案からであり,後半部分はサムス准将自身が加筆・修正したものであると考えられた。その第25条は,国民の日常生活における福祉,即ち,健康問題という点で最も関連のある人権思想の反映である。この条文が整ったことにより,わが国は,社会保障・福祉問題で国内の整備が可能となった。看護専門職者にとって日々の看護実践の基盤となる法律であり,その存在価値は大きい。