- 著者
-
山口 麻衣
- 出版者
- ルーテル学院
- 雑誌
- ルーテル学院研究紀要 = Bulletin of the Japan Lutheran College and Theological Seminary (ISSN:18809855)
- 巻号頁・発行日
- no.52, pp.1-12, 2019-03-01
本研究は、地域包括支援センターにおける介護者支援の困難性に焦点をあてて分析した上で、地域包括支援センターにおける介護者支援の課題を探ることを目的とした。A 県地域包括支援センター職員を対象に集合調査を実施し、事例の自由回答を質的に分析した。分析の結果、介護者支援の困難性は、1)介護者自身に支援が必要な場合の介護者支援の困難性、2)介護者が複数の役割を担う場合の介護者支援の困難性、3)サービス利用拒否の場合の介護者支援の困難性、4)要介護者への対応に苦慮する場合の介護者支援の困難性、5)複合問題・多問題への対応が求められる場合の介護者支援の困難性として把握できた。地域包括支援センターにおいて介護者のおかれた困難な状態をケアラーアセスメントにより包括的に把握し、介護者自身への支援体制を構築することが地域包括支援センターにおける介護者支援の課題といえる。