- 著者
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落合 哉人
Kanato OCHIAI
- 出版者
- 筑波大学大学院博士課程人文社会系日本語学研究室
- 雑誌
- 筑波日本語研究 = Tsukuba Japanese linguistics (ISSN:13424793)
- 巻号頁・発行日
- no.23, pp.83-112, 2019
本稿では、LINE上の言語使用を分析する際の単位に関して議論を行った。特に、「発話の分割」に着目して観察し、「発信の単位」「役割の単位」「話題の単位」という3つの単位を抽出した。また、議論を踏まえるケーススタディとしてLINE・対人場面・ケータイメールにおける接続表現を分析し、①先行する調査同様、LINEで接続詞の出現頻度が低いこと、②ケータイメールにおける接続詞の使用傾向にLINEと類似の特徴があること、③LINE・ケータイメールで接続助詞の相対的な増加が見られること、④直後に主節が続く従属節末の接続助詞では、各媒体で接続詞の使用傾向と類似の特徴を指摘できること、⑤直後に主節が続かない節末の接続助詞では媒体ごとに異なる使用傾向があることの5点を見た。さらに、特にLINEでは対他的な接続詞の使用に制約があることを考察した。