- 著者
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安田 従生
Bolin Celeste
Cardozo-Pelaez fernando
ルビー ブレント
- 出版者
- 環太平洋大学
- 雑誌
- 環太平洋大学研究紀要 (ISSN:1882479X)
- 巻号頁・発行日
- no.4, pp.109-120, 2011
本研究の目的は,1人のトライアスリートによる長期間のトレーニングと連続する4大会のトライアスロン競技がDNA損傷に及ぼす影響を検討することであった。被検者は,成人男性トライアスリート(年齢:38 year,身長:185.4 cm,体重:78.8 kg)で,ハーフアイアンマン(1.9 km水泳, 90 km自転車,21.1 kmランニング)とフルアイアンマン(3.9 km水泳,180 km自転車,42.2 kmランニング)を含む連続する4競技会を完走した。競技会AとCは,ハーフアイアンマン,競技会BとDは,フルアイアンマンから構成された。競技会B,C,及びDで,8-ハイドロキシディオキシグアノジン(8-OHdG)をマーカーとしたDNA損傷と修復のバランスを定量化するために,競技会出場前日と出場後1,2,4日目に,24時間尿が採取された。競技会B,C,及びDでは,競技出場後1日目ではDNA損傷と修復が多く見られたが,4日目ではほぼ通常値に戻る傾向を示した。また,連続する競技会で,運動時間および距離が異なるにも関わらず,同様な傾向が見られた。本研究結果により,長期間のトレーニングと連続する競技会出場によって,抗酸化能力が高まることが明らかとなった。