著者
井上 康宏 中保 一浩
出版者
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
農研機構研究報告 中央農業研究センター = Bulletin of the NARO, Agricultural Research for Central Region (ISSN:24328057)
巻号頁・発行日
no.7, pp.1-10, 2019-03-29

各種土壌消毒がどの程度の深さまで青枯病菌に対する殺菌効果を持つか調査を行った.クロルピクリンおよびダゾメットによる化学くん蒸では地下40㎝まで青枯病菌を殺菌したが,地下60 ㎝では効果が見られなかった.米ぬかを用いた還元消毒でも深い部分の青枯病菌に対する殺菌効果は低かった.一方で糖蜜やエタノールを用いた還元消毒では地下60 ㎝まで青枯病菌に対する高い殺菌効果が認められた.クロピクフローでは低温期の処理でも地下60㎝まで青枯病菌に対する殺菌効果が認められたが,深い部分ほど消毒効果が弱かった.どの消毒方法を採用するかは,土壌の汚染程度と共に,作型や経済性を考慮する必要がある.

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