著者
長谷川 孝治 小向 佳乃
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集
巻号頁・発行日
no.6, pp.71-82, 2019-03-15

本研究は,Twitter のフォロワーに対する類似性認知が他者への不寛容性を促進させるのかを検討することを目的として行われた。インターネット調査会社のモニター127名に対するWeb 調査の結果,フォロワーに対する類似性認知が高いほど,彼/彼女らに対する不寛容性も高いことが示された。また,この傾向は,孤独感の高さや自己肯定感の低さによって,調整されていた。すなわち,孤独感が高い人や自己肯定感が低い人は,フォロワーに対する類似性を高く認知するほど,それらの人々と意見の食い違いが生じた際に,不寛容性が高くなることが示された。さらに,そのような際に,フォローを解除したり,ミュートしたりする拒否行動をとるのは,不寛容性が高い人であることも示された。これらのことから,SNSを通してコミュニケーションが円滑になる反面,そこでの同質性の追求が,他者に対する寛容性を下げることにつながることが示唆された。

言及状況

Twitter (6 users, 6 posts, 3 favorites)

孤独感が高い人や自己肯定感が低い人は、フォロワーに対する類似性を高く認知するほど、他のフォロワーと意見の食い違いが生じた際、不寛容性が高くなる さらに、そのような際に、不寛容性が高い人はフォローの解除やミュートをする https://t.co/umHuCy33du
「Twitter上での類似性認知が他者への不寛容性に及ぼす効果」(信州大学人文学部) https://t.co/1AHzEdoknZ 同じ嗜好性でつながるほど、異質性と遭遇した時に集団で叩いてしまうわけですね。

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