著者
阿久津 智
出版者
拓殖大学言語文化研究所
雑誌
拓殖大学語学研究 = Takushoku language studies (ISSN:13488384)
巻号頁・発行日
no.140, pp.1-34, 2019-03-29

古典読解に係り結びを生かす方法を考えるため,『土佐日記』に係り結び(係助詞)がどのように現れているかを調べた。とくに,地の文における,「強意」を表す係助詞「ぞ」,「なむ」を含む係り結びの用法を探った。その結果,「ぞ」と「なむ」には,ともに,係助詞の用法として,⑴限定・対比・排他的な意味を表す用法(卓立強調),⑵感情の焦点を表す用法(情緒的な強調)が見られたほか,係り結びの談話的な機能として,⑶話に区切りをつける用法が見られた。このうちの⑶などは,文章構成を把握するのに役に立つものであり,古典の読解に活用できるものと思われる。

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阿久津 智 -  古文読解における係り結び ―『土佐日記』における「ぞ」「なむ」を中心に― https://t.co/Lr5VXzKmVr

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