- 著者
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川端 健嗣
- 出版者
- 成蹊大学大学院文学研究科
- 雑誌
- 成蹊人文研究 (ISSN:09191488)
- 巻号頁・発行日
- no.27, pp.81-96, 2019-03
本研究は各個人の経済状況について、本人の努力に左右される度合いの意識と、責任を感じる度合いの意識の関係を分析する。データは、ランダムサンプリングによる「2018年度暮らしについての西東京市民調査」(N =292)を用いた。分析の結果、全体の半数以上に不均衡があり、約3 割以上が努力の度合いに比べて責任を過大に感じていることが明らかになった。さらに多項ロジスティック回帰分析の結果、等価所得が低いほど努力の度合いに比べて責任を過小に感じることに有意な効果を持つことが明らかになった。分析を通じて、人々の意識における責任実践の不均衡な規定構造が明らかになった。