著者
林 邦彦
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.81, pp.115-139, 2015

フェロー語によって今日まで伝承されている多数のバラッドの中に,Ívint Herintsson と呼ばれる,アーサー王伝説に題材を取ったと考えられる作品がある。この作品は18世紀後半から19世紀半ばにかけて,一般にA,B,C と呼ばれる3 つのヴァージョンが採録されており,これらはいずれも複数のバラッドから構成されるバラッド・サイクルである。本作品の先行研究ではしばしば物語の素材に焦点が当てられたが,本稿ではこの作品の3 ヴァージョン間の異同に着目し,個々のヴァージョンの形が生成・伝承された過程を浮き彫りにすることを目指し,バラッド・サイクルとしての本作品を構成する複数のバラッドのうち,まずはKvikilsprang と題されたバラッドに対象を絞り,Kvikilsprang の3 ヴァージョン間の比較を行い, 3 ヴァージョン間で見られた主な異同箇所について,Kvikilsprang と同じ題材を扱ったノルウェー語バラッドKvikkjesprakkの該当箇所とも比較を行う。

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CiNii 論文 -  フェロー語バラッドIvint Herintssonの3ヴァージョンとノルウェー語バラッドKvikkjesprakk https://t.co/yAsndT8kwy #CiNii

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