著者
柴田 徹平
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.49, pp.253-275, 2017

2000年代半ば以降,大手製造業の現場で行われていた偽装請負が大きな社会問題になった。一方で建設産業においても同時期に偽装請負が行われていた。本稿では,建設産業における個人請負化の新たな段階として,2000年代以降に増加した偽装請負の問題を取り上げる。明らかになった点は以下のとおりである。 第1 に,一人親方の働き方の1 つである常用型の70.2%が偽装請負の下で働かされていることを明らかにした。第2 に,下請の重層化と90年代後半以降の零細企業を取り巻く厳しい経営状況の下で,下請零細企業に雇用されていた労働者が就業実態は変わらずに,契約形態のみ請負に切り替えられる(常用型化する)という偽装請負の状態に直面していたことを明らかにした。第3 に,零細企業が偽装請負を行っている背景には,元請ないし上位の下請などの大企業が現場労働者を直接雇用しない中で,零細企業が現場労働者の雇用を担い,その雇用の負担がのしかかる中で,やむにやまれず偽装請負が生じていること,の3 点を明らかにした。

言及状況

Wikipedia (1 pages, 1 posts, 1 contributors)

収集済み URL リスト